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保護施設『Manna Home Photharam』を訪ねて

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ラチャブリーの田舎にひっそりとある

 ラチャブリー県ポータラーム郡にある子供と女性の保護施設『Manna Home Photharam』へ行って来た。毎年、寄付活動を兼ねて社員旅行を行っており、昨年はパトゥムタニ県の施設に行った。一昨年はナコンパトム県の施設へ。

 今年訪れたこの施設は、両親から虐待されたり、養育を放棄されたり、両親が刑務所に入って面倒を見る者がいなくなった子供、それから、DVなどで助けが必要な女性が暮らしている施設。

 国からの支援はもらわず、設立者たちが日々、寄付などを募って彼らの面倒を見ている。子供が大半で、すべて合わせて32人ほどがこの施設の庇護のもと学校へ通っている。

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食堂兼勉強するところ

 『お金を稼げる自立した大人となってここを巣立って欲しい』という考えのもと、躾と教育がしっかりなされている。

 幼稚園ぐらいの年齢から中学生、高校生ぐらいまでの子供たちがいる。日本人男性とタイ人女性の間に生まれた女の子も一人いて、彼女は生後4か月から預けられ今6歳だそうだ。

 みんな、どんな事情があったのかは分からないが、いつの時代も、子供と女性は弱いゆえに、理不尽で残酷な社会の犠牲者となる。

 そして、その犠牲者たちの受け皿がこの施設なのだ。

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子供たちの部屋。一部屋に4~5人が同居する

 毎年、こういう施設を巡っているのだが、都度、いろんなことを考えさせられる。それは弱者に対する憐憫から来る驕りだと言われるかもしれない。そう言われるなら否定はしない。私の人間性は今更変えられないし。ただ、ここに来ていろいろ考えさせられることは自分にとって有意義なのは間違いない。

 まず第一に、人生がいかに運任せであるということ。一番最初の最初、つまり産まれて来る子供は両親を選べない。性別や、身体が健康であるかどうかすら選べない。どんな環境に生まれて来るかは、人生を決定的に左右する大きな大きなポイントにも関わらずだ。

 『産まれなんか関係ない、自分で逆境を乗り越えろ!』という人もいるが、乗り越えられる性質を持っていなければ、そしてそれを育んでくれる環境にいいなければムリな話。あなたにはその性質や環境があったらできたが、そんな性格も体格も知恵もキッカケもなければ、どうやって乗り越えられるのか? 自分の成果にしたい気持ちは分かるが、実は、あなたの運が良かっただけだ。

 この施設に辿り着けるかどうかも運次第、人と人との巡り合わせ次第だ。

 と思うと、自分の元に産まれて来てくれた子供たちに、少しでも楽しんで生きてもらえるような両親であり、家庭を作りたいと思う。いま、それが実践できているか反省させられる。

 第二に人間の優しさの必要性について。

 レイモンド・チャンドラーがフィリップ・マーロウに『優しくなければ生きていく資格がない』と言わせているが、まさにその通りだと思う。

 自分勝手に、他人に迷惑をかけて野獣のように生きている人間がたくさんいる世の中で、この施設の設立者たちの子供たちに対する優しさに感銘を受ける。彼らのような人たちがいなければ、泣いている子供たちがもっと増えることだろう。改めて優しさの必要性を感じる。

 それから、最後に、いい車に乗ることも、海外旅行に行くことも、美味しいレストランで食事することも、マッチョな肉体を手に入れることにも興味を示さず、ひたすら、子供たちのよりよい未来を願って活動する人たちが存在することについて。

 我々、俗人が美味しいものを食べた時、いい車を買った時に満悦するように、彼らは、子供たちの成長に満足する。

 つまり、我々もボランティアで生きている彼らも『自身の満足』を追及しているに過ぎない。ただ、対象が違うだけだ。

 だから、我々が間違っていて彼らが正しいとは言わない。でも、こういう生き方もあるんだなと考えさせられる。自分は、世俗まみれで煩悩を捨てきれないが、ときどき、彼らのお手伝いをすれば、彼らの感じている喜びの一部に触れられないだろうか?

 これは私の良心への問いかけだと思う。

 カッコいいことを言っても所詮は自分が可愛い。10,000バーツ手元にあったら、新しいタイトリストのハイブリッド818H2が買いたい。でも、もし、それをレジに持って行くその瞬間、両親に捨てられた子供たちが、細々と生活している事実が脳裏を過るなら、それを看過してもいいのか? 目を閉じて、耳を塞ぐのか? 1,000バーツでいい、100バーツでもいい、少し予算を削って彼らに送金してあげられないか? スコアーがそれほど良くなるわけでもないのだから、今のユーティリティーでいいじゃないか? 全額送金してはどうか? 見過ごすにも、応えるにも鈍い痛みを伴う、そんな問いかけがしばらく続きそうだ。

 と、言うワケで来年はダボ以上打ったら100バーツを寄付するってルール決めようかな。10万バーツぐらいになりそう・・・(笑)

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