場所はサムットプラカーン県、タイ湾沿岸から内陸に1キロほど入った、古くから漁民が生活する村『バーン・クン・サムットチーン(Ban Khun Samut Chin)』に子供たちと体験ステイに行って来た。
車やタクシーで、橋を越えてプラプラデーンへ向い、そこから村へ向かう船が出るパーリー船着場まで行けば簡単なのだが、子供たちに、旅情というか冒険っぽい雰囲気を味わってもらいたく、自宅からバイタクで最寄りのBTS駅まで行き、そこから電車に乗ってBTSパークナム駅で下車。駅から約15分ほど歩いて、パークナム市場の中にある渡し船の船着場まで行き、チャオプラヤー川を渡って対岸へ向かう。
対岸はプラサムット・チェディーと呼ばれる場所で、ここからパーリー船着場までソンテウに乗って向かうことになる。ソンテウは乗客が集まるまで出発しないので、暑い車内で20分ほど待つ。辛いがこれも旅の思い出の一部になるので良しとする。
ようやく出発したソンテウは、約15分ほどでパーリー船着場に到着(ちなみに船着場には1晩100バーツで車を預かってくれるサービスもある)。約10キロの道のり。
船着場周辺でたむろしているちょっと柄の悪そうな小舟の船頭に『バーン・クン・サムットチーンまで』と言えば、連れて行ってくれる。料金は1人目が100バーツ。2人目以降は10バーツだ。今回はウチの家族4名(僕、妻、7歳娘、5歳息子)と友人家族3名(友人とその奥さん、娘9歳)の計7名なので片道160バーツ。
船に乗り込むと一気に、非日常感が高まって興奮。マングローブやニッパヤシ(トンジャーク)が生い茂る運河を、船は、緑の水の上を、波をかき分けながら、エンジン音を響かせ猛烈なスピード進む。船底までが浅く、すぐにでもひっくり返りそうで怖い。両岸には粗末な板張りの小屋がポツポツとある。
猛烈なスピードにも慣れた頃、バーン・クン・サムットチーンの船着場に到着。ここまで約10分ほど。ここから、宿の船に乗り換える。そして、5分ほど池(?)を進むとホームステイ先の小屋たちが見えて来る。『えっ、こんなところに泊まるの?』と固まっている子供たち。何故かタイ人の奥さんも固まっているけど。。。。
小屋は、竹とヤシの葉でつくった粗末なもので、床の上に置かれた寝具の上で、蚊帳に入って寝ることになる。とても清潔に管理されている。1泊大人600バーツ、子供300バーツ。宿泊代には昼、夜、朝の3食が含まれている。
共同のトイレ兼シャワーは4部屋あり写真の通り。便座が吹き飛んでいる部屋もある。衛生的には10点満点で採点すると3点ぐらい。水圧が強いことと虫がいないことを評価。日本人にはここが鬼門になると思う。ここれが我慢できないなら、無理に来ない方がいい。絶対楽しめないので。ちなみに小屋に直結しておらず、張り巡らせた桟橋を渡って向かうので、深夜のトレイは、水に落ちる危険性もあり!笑
我々は、昼食からのスタートでお願いしていたため、12時頃に到着。スープ、春雨、鯵を揚げた物、魚のすり身、甘いエビの煮つけが昼食のメニュー。量が非常に多くて食べ切れない。
昼食を終えたらしばらく休憩。陽が傾き少し涼しくなったら、探索へ出発。
宿には中華寺院、それから小さな博物館(展示小屋)が隣接している。ここからあぜ道もしくは細いコンクリート道を進んで、『海の寺』を目指す。
道中は、泥臭く、魚臭い。流れ着いたゴミも漂っており、『自然の豊かさ』よりも『人間の生活臭』の方が漂っている感じで、あまり感動はない。こんな船でないと来れないような地域にそこそこまともな小学校があることには驚いた。先生たち、どこから通っているんだろう・・・
歩くこと30分近く。海のお寺と呼ばれる、タイ湾に突き出たサムットチーン寺院に到着。実はここのお寺、約50年前は、海岸線から1キロ弱あまり内陸に入った場所で、当時は海に近い普通のお寺だったようだ。それが、約50年で2キロ幅近くの陸が消滅してしまい、海に突き出したお寺状態になったようだ。
この辺りでは、運が良ければ、雨季の時期にはイルカが見られるという。
宿からお寺までの往復で約3キロ。部屋に戻って水シャワーを浴びてホッとしていると夕食が運ばれてきた。夕食は地元で採れるカニや魚、貝がシンプルに調理されて出て来る。トムヤムもある。産地で食べるからと言って特に旨いワケではない。カニも爪以外は食べる部分が少なく、正直面倒。ただし、昼食と同じく量が凄い。とても食べ切れない。
大切な部分なのだが、このホームステイ先には小さな売店があり、嬉しいことに冷え冷えのビールやソーダ、氷も売っているので、夕食のおかずをあてにしないで、つまみは持参した方がいい。エアコンなし、扇風機だけの、水上の小屋で大人同士で酒盛りすると、非日常的な場所ということもあってか、結構盛り上がります。難点はトレイだけ。
子供たちも、未体験な小屋にも慣れて、ガンガン遊び回っているし良い思い出になった感じ。
翌朝はエビの入ったカオトム(お粥)を食べて、船を呼んでもらい帰路についた。
今回は、敢えて公共交通機関で行く方法を選んだが、自動車かタクシーでパーリー船着場まで行けば、サラッと訪問できるので、一風変わったタイでの体験をしたいのなら、是非おすすめ。ただ、子供が食べ物の好き嫌いが多いのなら、パンや飲み物を持参することも検討した方がいいかもしれない。
それからバスタオル、石鹸、シャンプー、歯ブラシと歯磨き粉は要持参。蚊取り線香は用意されているが、蚊よけスプレーはあった方がいいかも? 僕は宿の枕が低すぎで、翌朝から数日間、ひどい寝違い状態。。。