バンコク、ワークアウト備忘録

筋トレ、食事、サプリ、怪我、GYM、ゴルフなど備忘録

動画流出で国民が再確認したタイ警察のどうしようもない腐敗

f:id:workoutbkk:20210825173059j:plain

ผกก.โจ้

 個人的見解だが、タイでフェラーリに乗れるぐらいの大金持ちたちの中には、『権力を手に入れて、不正を行う』もしくは『ビジネスで金を手に入れ、権力と結びつく』ことによってあぶく銭を持った奴らが多数いると考える。

 で、本題。

 覚醒剤密売の容疑で逮捕された男女2名が、ナコンサワン県の警察署に連行された。

 警察官らは男を囲み、『見逃してやるから、いくら払える?』と威嚇し、男は『100万バーツなら払えます』と答える。

 その報告を受けた警察署長が『ふざけんじゃねー、200万だコラ~』と言ったかどうか知らないが、ゴミ袋を持ってきて男に頭をかぶせ『オラオラ、200万払うと言えやボゲー』と言ったかどうか知らないが、数分間引きずり回したところ、容疑者の男性、窒息死。

 焦った署長は部下に、病院へ死体を運ばせ『クスリのオーバードーズで窒息した』と医者に死亡診断書を書かせて幕引きを図った。男と一緒に同行した女には『自由にしてやるから黙っておけ』と脅して釈放。

<問題のまとめ>
 ・ワイロをもらえば重犯罪も見逃す
 ・容疑者の女を自身の都合で勝手に釈放する
 ・悪事が露見しないよう、さらに法律を犯す

 権力をもった犯罪者集団であって、正義という言葉はどこにも見つからない状態。

 ただ、想定外だったのは、義憤に駆られたのか、それとも日頃、この署長に恨みがあったのか部下の警官が、この殺人現場をとらえた署内の監視カメラの動画を流出させた上、弁護士に駆け込み訴えることに。

 大手メディアもとりあげ、動画はSNSで拡散されまくり。世論は『また警察? ホント、ゴミ』『ただのマフィア』『タイ警察の資金源ってやっぱり・・・』となり、国家警察もさすがにヤバイとなって『頑張って真相究明します!』と発表。

 ただ、すぐに身柄拘束に動いていないので、問題の警察署長は逃亡。ラオスに逃げたとか。

 この警察署長、41歳と若い。署長クラスで41歳ってかなり珍しい。フェラーリ数台所有しているとか、女優を口説いたとかで、事件起こす前から結構有名人だったんだけど、それだけのカネって全部、こんな感じで都合してきたんだろうな~ とタイ国民全員が思っている。

 出世にあたって、上層部にもカネを相当ばら撒いたかもしれないので、逃げてくれて警察のお偉い方はホッとしてる? もしくは、あえて逃げる時間を与えた? 

 まあ、このナコンサワンの署長だけじゃなくて、タイ全土の大小ふくめたすべての警察署で、同じことが連綿と脈々と続けられて来たことは、想像に難くない。

 とまあ、やっぱりそうだったんだと再確認させてくれた事件。

 それからこの事件に関連して思う事は、タイって仏教国なんだけど精神的、哲学的な観点からの幸福の追及よりも、幸せ=カネ、という生々しいというか欲望丸出しの国なんだよね。小乗仏教ってそういうもんなの? と。

 まあ、きれいごと言っている先進国の連中も一皮剥けば同じなんだけどね。

 ただ、日本や、アメリカで権力の濫用や、収賄は即逮捕だからおいそれと一線を越えられないけど、タイは先進国と異なり、三権分立が機能しておらず、すでに居座っているカネを持った悪い奴らが基本的に世の中の流れを決めているのぜ、全然良くならない。

 不平等に憤る貧困層だったり、世界標準の民主主義に、教育や留学やインターネットを通じて触れてきた世代が、わずかに抵抗している程度。

 ただ、インターネットの力はバカにならない。今回の事件も、動画がネット上に流出して、抑えが効かなくなったから、タイ国家警察庁が動いたワケだし。

 インターネットの持つ公共性、拡散性、平等性は、不都合なことだらけだけど、それを隠すことでやってきたタイ政府にとっては、将来、間違いなく仇になる。

 僕が生きているときには見られないと思うが、いつかそんな時代が来ることを楽しみしてます。

 と、今日は義憤に駆られて長々と書いてしまいました。