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パンタ、頭脳警察

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いい感じのジイサンになりましたね

 パンタという歌手がいる。1970年代に活動していた頭脳警察という2人だけのバンドのボーカル&ギターで、本名は中村治雄。100人中99人は知らないか、もしくは知っているけど曲は聴いたことはないと想像する。

 頭脳警察時代は過激というイメージだけが先行してキワモノ扱いされていたところがある。その後、パンタという名前でソロ活動を始めてからも、いわゆる歌謡曲を歌うことはなかった。

 私は1972年生まれで、友人から、パンタを知ったのも高校3年生の頃なので、現役バリバリの頃はほとんど知らない(今でも活動してますが)。当時、過激な思想の持主だった私は、結構、ハマってしまいCDはほぼ全部揃えたが、ここ20年近く全然聴いていなかった。

 ただ、2020年の終わりに、改めて、メロディーや歌詞を嚙みしめるながら聴いてみると、やっぱり「天才なのかな」と思わずにはいられない。

 例えば、ナチスドイツの迫害をテーマにした『クリスタルナハト』というアルバムを1987年に出している。

 発売時でさえ、戦後から40年以上経っており、かつ、こんなテーマのアルバムなんて出して何の意味があったの? 売れると思っているの? と問いたくなるが、本人には大切な作業だったようだ。

 ロッカーとして戦争、文明、体制、時代という、そこに存在した生々しい事実を、書き留め、そして伝えたいという衝動があったのだろう。

 ついでだが、出来栄えも素晴らしいアルバムになっている。

 その中の『夜と霧の中で』という曲の詞の冒頭を紹介したい。おそらく、多くの方には響かないかもしれないが、このブログを通じて、一度でいいから触れていただければ幸いだ。

■夜と霧の中で
作詞・作曲/中村治雄

 せめぎ合いを横目で みていたキミは
 記憶をなくした母の 涙に手を振りながら
 無言の問いかけに 答えるすべもなく
 あの時 キミは夜と霧の中にいた

 しりたがりやの少女は 屋根裏部屋で
 退屈の次に嫌いな 鏡に舌出していた
 母の記憶を 覗いちゃ駄目だよ
 あの時 彼女は夜と霧の中にいた

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